航空部用語集

自動車用語

(注・重要度は、その用語が各係りにおいてにいかに重要かを表したものである。)

1・・・べつに知らなくても良い。
2・・・知らなくても良いが、知っていると便利。
3・・・そのうち知ることになる。
4・・・かなり重要で、知ってほしいこと。
5・・・自動車係になるうえでまずおぼえましょう。


機体 機材 その他


2サイクルエンジン(自動車関係重要度2)・・・2つの行程を繰り返すエンジン。4サイクルエンジンとの決定的な違いは、吸気、および排気を行うバルブがなく、ピストン自身がその役目をはたしているということである。吸気口は、燃焼室とは別の部分にあり、ピストンが下がっているときのみ燃焼室にそのまま空気が入り、ピストンがあがるとそれ自身が吸気バルブの役目をはたし、圧縮、膨張行程が始まる。爆発してピストンが押し戻されると、吸気のときと同じようにピストン自身が排気バルブの役目を果たして排気が始まる。このときに、ピストンが下がっているために、ついでに吸気まで行ってしまうのだ。これだけ聞くとすごいエンジンのようだが、吸気、排気行程のときに、新しい混合気の一部がどうしてもそのまま排気されてしまうので、環境に非常に悪く、また燃費も悪くなってしまう。よって現在では4サイクルエンジンの方が主流である。

4サイクルエンジン(自動車関係重要度4)・・・4つの行程を繰り返すエンジン。4つの行程とは以下のものである。
1.吸気行程。吸気バルブが開き、燃焼室に混合気が入る行程。
2.圧縮行程。吸気バルブが閉じられ、ピストンが上がり、混合気を圧縮する行程。
3.膨張行程。ピストンが上限に達して、気体が圧縮されたところで、スパークプラグにより、火花を飛ばして点火する。これによって、混合気は爆発し、ピストンが押し戻される。なお、ディーゼルエンジンの場合は、スパークプラグによる点火は無しで、単に圧縮させるだけである。
4.排気行程。ピストンが下限まで達したところで排気バルブが開き、燃焼ガスが押し出される行程。
なお、バルブの開閉はカムシャフトによって行われる。2サイクルエンジンに比べてクリーンなため、現在の車にはこれがほとんど使われている。

ウィンチ助手(自動車関係重要度5)・・・助手という名目で、ウィンチマンの暇つぶしのために配備される重要な役職。主な仕事はウィンチマンとの会話。これによって発航効率がかわることもあるらしい。基本的には楽な仕事だが、索トラブル時にはウィンチマンの下働きとしてしっかり動かなければならない。

ウィンチマン(自動車関係重要度5)・・・ウィンチを引く人のこと。機体の発航時には足の皮一枚のクラッチ操作によってドラムの動きをコントロールし、ピストからの交信を頼りにクラッチをつなげ、機体がエアボーンした後は、荒れ狂う大気のなかをスロットルレバーひとつで一定速で機体をひきあげるという神業的な動作が要求される職業。しかし、その重要度は教官に継いで高く、なり手もそうはいないため、班長が人集めするときにはいつも苦労することになる。ウィンチマンの規定では、”ウィンチ曳航により、ソロで飛べるフライト技術”が要求されるのだが、発航数の少ない西部支部ではそうもいってられない。よって、フライトはせずに、ウィンチだけを引こうとする職業ウィンチマンも多い。

エンスト(自動車関係重要度5)・・・エンジンが完全にストップすること。回転数が一定以下に落ちるとこれがおこる。初心者が発進のときによく起こす。せっかく譲ってやった右折待ちの対向車がこれを起こすと非常にブルー。自分が同じ状況で起こすと、穴があったら入りたくなってしまう。バッテリーが弱っているときにこれをおこすとさあ大変!マニュアル車ならおしがけだ!

AT車(自動車関係重要度5)・・・最近、日本の国道を占拠し始めた車。ギアチェンジ、半クラッチ等、マニュアル車のめんどくさいとこをすべて省いた文明の利器。ただし、航空部とは縁遠い。マニュアルに慣れた人にこれを運転させると、急発進になったり、長い下り坂をニュートラルで降りたりと、オートマいじめをしちゃうのでご用心。

ATF(自動車関係重要度4)・・・1.オートマチック・フルードの略。オートマ車には必ずついている。これは、トルクコンバーター内では冷却作用の媒介物として、プラネタリーギアの中ではギアとクラッチの潤滑油として、ハイドロリックコントロール部では制御装置の作動油として、なんと3様もの働きをするスグレモノ。ガソリンスタンドで替えてもらうと、これでもかというぐらい入れられるらしいのでご用心。
2.某アニメ、エヴァンゲリオンにでてくるATフィールドの略称。Absolute Terror Field。

エンジンオイル(自動車関係重要度5)・・・とりあえず、これさえ替えとけば最近の車は故障しないと言われている、車のウィークポイント。ホコリの多いところを走る車や、駐停車の多い車は、オイルの雰囲気温度が頻繁に上下され、劣化の原因になるために、マメにオイルは交換しなければならない。これにもグレードがあり、ガソリン車用のエンジンオイルの場合は、API(アメリカ石油協会によるサービス等級区分)によると、SE、SF、SG、SH等に分かれており、Sの次のアルファベットが若い方がヤスモノ。ちなみにディーゼルエンジン用オイルだと、CC、CD、CEという風になる。SAE(アメリカ自動車技術協会によるサービス等級区分)によると、5W、10W,20、30等に分類されており、Wがついたものは耐寒性のオイル。一般的に数字が小さいほうが寒冷地での走行向き。10W−30などと表示されているものは、なんと冬は10Wの粘度、夏は30の粘度を保持できるスグレモノ。とはいっても最近のオイルはほとんどこのような表記になっている。部車は長距離走行をしょっちゅう行うためにマメに替えなければならない。

オートマ・・・→AT車

オートマいじめ(自動車関係重要度4)・・・マニュアル車に慣れた人がオートマを運転するとまずやってしまうこと。一番多く見られることは、長い下り坂をニュートラルで降りることである。これは、ATの内部は、車輪と同様に回転しているのに、ニュートラルなのでATフルードは一向に回ってこない。当然、AT内オイル切れ焼きつき・・・・。っていうか、そんなことしてたら、エンジンブレーキが利かなくなり、フットブレーキだけで長い下り坂を降りることになり、ペーパーロックの原因にもなる。確かにマニュアルと比べて燃費が悪いため、ニュートラルにする気持ちはわかるが、危ないため気をつけること。

おしがけ(自動車関係重要度3)・・・マニュアル車のみにできる芸当で、バッテリーが上がった際に、エンジンを回す方法。具体的には、通常はバッテリーの力でスターターのモーターを回し、その力でクランクシャフトを回してエンジンがかかる状態にするのだが、押しがけの場合、みんなで押してタイヤを回し、そのときにクラッチをつなぐことによって、直接クランクシャフトを回すのである。一度エンジンがかかってしまうと、オルタネーターによって徐々にバッテリーは充電されるので、あとはなんとかなるでしょう。しかし、筆者は航空部関係者以外でこの方法をとっている人を見たことが無い。


オルタネーター(自動車関係重要度3)・・・交流発電機(ACG)。車で使われる電気はすべてこいつが発電しており、さらに直流に変えられてバッテリーに充電される。車の中でCDが聞けるのも、電気がつけられるのも、バッテリーが自動的に充電されるのも全てこいつのおかげである。オルタネーターばんざい!

ACGベルト(自動車関係重要度3)・・・一昔前はファンベルトと呼んでいたが、電動ファンが主流の今ではACG(交流発電機)ベルトと呼ぶのが普通になっている。相当頑丈ではあるが、オルタネーター、パワステ、エアコン、ウォーターポンプ等の動きを司っており、たまに張り具合を点検しないとえらいことになる。実は、パンストでも少しの間なら代用が利くらしい。

カムシャフト(自動車関係重要度2)・・・バルブの開閉を行うシャフト。これ自身は自動では動かない。タイミングベルトによって、クランクシャフトの動力が伝わっているのである。バルブの開閉によって、シリンダー内に混合ガスを吸引、排気させている。当然、各シリンダーの吸引と排気のタイミングが合うように、カムの向きが調整されているので勝手に削らないこと!(誰が削るか!)

クランクシャフト(自動車関係重要度2)・・・シリンダー内部で混合気の燃焼(膨張)により、ピストンが往復運動を繰り返すが、その往復運動を連続した回転運動に変えるもの。そのため構造は極めて複雑であり、素人が手を出してはいけない。

サーモスタット(自動車関係重要度2)・・・冷却水の温度によって作動する一種の自動バルブ。冷却水路の入り口、もしくは出口に取り付けられており、水温が低いときはバルブを閉じ、高いときにはバルブを開いてラジエーターに熱い冷却水を流す。つまり、いわゆる試験官であり、温度が低い水は合格、高い水は不合格で、その基準を判断するやつである。エンジンを巡る水の温度を、エンジン効率の良い80度〜90度に調節するための装置。その開閉の原理はなんとワックス。

タイミングベルト(自動車関係重要度2)・・・クランクシャフトの力をカムシャフトに伝えており、これによってバルブの開閉を行っている。タイミングベルトと呼ばれる所以は、バルブの開閉のタイミングのことなのである。決してブ*ビの歌ではない。フロントカバーを空けさえすれば、自分で交換も可能。あまりオススメはしないが。通常は10万kmごとに交換することになっており、九大航空部の部車はめでたく2回目の交換となるのである。

ハイエース・(自動車関係重要度5)・・・九州大学航空部で使用している部車。走行距離は23万kmを突破したもののまだまだ走れる元気もの。現在のハイエースは二代目。


バッテリー(自動車関係重要度5)・・・エンジンルーム、車の内装など、自動車業界は飛躍的な進歩をとげているのに、なぜかほとんど発展しない物。ボルタ式電池よりはチョイマシな鉛蓄電池を使っている。希硫酸を使っているため、見かけの割に非常に重い。同じメーカーの品でも価格によって随分性能差があるらしい。

パワステ(自動車関係重要度4)・・・パワーステアリングの略。ハンドルを回す力が少なくてすむ画期的な装置。ただし、某ウィンチの台車はこれがきかずに、腕の力でウィンチの全重量をコントロールしなければならない。

ファンベルト・・・ACGベルトの古い呼び名。→ACGベルト

ブースターケーブル(自動車関係重要度3)・・・部車の貧弱バッテリーのおかげで何度も世話になる自動車機材。自車のバッテリーのプラスと他車のバッテリーのプラス、マイナスとマイナスをつなぐと、自者のマイナスの部分で火花が出る。だが、バッテリーは充電の際、極板から水素が出ており、もしこれに火花が着火すると非常に危険である。よって、自車のマイナスは、車の適当な部分につなぐのが適当である。

部車(自動車関係重要度5)・・・部で持っている車。パワーウィンドウなし、集中ドアロックなし、マニュアルミッション、ディーゼル、黒煙を吐く、バッテリーが弱くライトが暗い、などが相場なのだが、西部支部では最近変わりつつある。

マニュアル車(自動車関係重要度5)・・・少し前まで日本の国道を占拠していた車。AT車との決定的な違いは、ギアチェンジとクラッチがあることである。まず、発進時にはゆっくりとクラッチをあげ、半クラッチ状態にする。このとき、車が徐々に動き出すが、ギアとタイヤはまだかみ合っていない。このとき、エンストしない程度にエンジンの回転数を上げ、さらに急発進しない程度にクラッチを徐々に上げる。これで発進は完了である。あとは、ギアチェンジの度にこれを繰り返せばよい。初心者が運転するマニュアル車は非常に乗り心地が悪い。これは、ギアチェンジの際にエンジンの回転数とタイヤの回転を合わせきらないためである。慣れてくると航空部j関係者はなぜかこの車が好きな人が多い。

MFバッテリー(自動車関係重要度2)・・・メンテナンスフリーバッテリーのことで、補水不要のバッテリー。普通のバッテリーは、希硫酸の水分が蒸発して液面が下がるのだが、このバッテリーは密封してあるため、蒸発した水分を外に逃がさないのである。便利だが、高価なため航空部とは縁遠い。

ラジエーター(自動車関係重要度5)・・・エンジンの熱を大気中に逃がす放熱装置。サーモスタットが温度が高い水を感知したら、その水はここに送られ、冷却ファンや、車が走る時にあたる風によって冷やされる。冷やされた水は再びエンジン側に回っていく。サーモスタットが不合格と判断した水を合格基準まで冷やしてあげるのだ。

レギュレーター(自動車関係重要度2)・・・オルタネーターの発電量はエンジンの回転数によって上下するのだが、電装品にかかる電圧は常に一定でなくてはならない。この電圧を一定にする働きをもつのがこいつである。

レスポンス(自動車関係重要度3)・・・1.エンジンの回転に対する、速度の上下の具合のこと。たとえば、同じようにエンジンの回転を上げたときでも、そのときのギア、坂の勾配、荷物の重さなどによって、車の速度はずいぶん変わってしまう。アクセルを踏み込む量に対して速度がすぐにあがるとレスポンスが良い、速度が上がらないとレスポンスが悪いという。久住に行くときはイヤというほどこの違いを体験する。俗語では、レスポンスがいいことを”軽い”、悪いことを”重い”ともいう。  2.掲示板、Eメールなどにより、問題提起をおこしたときに帰ってくる返事の数。多く帰ってくるときをレスポンスがいいという。

LLC(自動車関係重要度4)・・・ロングライフクーラントの略。いわゆる冷却水。2.3年ぐらいで防錆効果がなくなるらしいのでマメに替えましょう。主成分はエチレングリコールである。くれぐれもこれを直接ラジエーター内に入れないこと。カルピスのように水で薄めて使うのだ。寒いトコではこれの水に対する濃度を高めにしないと凍結しちゃう。ガソリンスタンドで入れてもらうとやたら高いのでご用心。
  

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